岩手・宮城・福島の被災地では、プレハブ仮設住宅の入居者が大幅に減少し、計画された災害公営住宅の整備やかさ上げによる宅地造成がほぼ終わるなど、住まいの復興は仕上げ段階に入っています。, 一方、今も避難生活を余儀なくされている人は約4万7000人にのぼり、多くの自治体では人口減少に歯止めがかからず、地域経済も回復したとは言えない状況です。, 被災した人たちは現状をどう感じているのか。約4000人を対象にアンケートを行いました。, 約半数が、今の復興の姿は「当初思い描いていたより悪い」と回答。県別分析から、福島の復興実感が特に低いこともわかりました。, 震災後、思い描いていた未来のようには、なっていない。復旧、復興が遅れている。もうー度、原点に立ち返り、何を目指して、どこへ行き着きたいのか、見つめ直す時なのかもしれない。, 一歩一歩復興に向け進んではいますが、震災の傷あとはまだ深く残っているような気がします。地元で残る人も少ないからか、若い人たちや子どもたちを見ると、めずらしいと感じる日々です。これも震災がなかったら違っていたのかなと思わない日はありません。, 仮設団地での生活と比べて、人との交流が極端に少なくなっている。被災のダメージをいくらかでも薄れさせてきたあとに、また虚脱感が生まれている。心の復興には相当の時間が必要だと思う。, 半数余りが、震災・原発事故の影響で家庭の「収入が減った」と回答。依然、生活再建の問題が未解決なことが明らかになりました。, 仮設住宅に8年3か月住み、やっと令和になって再建したが、ローンの心配もあり、買い物に行っても食品は高い物は買えず、いつもお金が、頭から離れず、金銭的に心配。, 私は子どもが3人います。学童、保育所に預けて仕事をしたかったけど、利用できずに働けませんでした。自主避難もしなければならず、大赤字でこの後の人生を歩まなければいけないのがつらいです。, 支援体制が10年間という期限があります。この10年以降、どのような生活がまっているのか、不安でいっぱいです。もう少し、長い目で支援をつづけてもらいたい。, 災害公営住宅の居住経験がある被災者の1割が、入居当初と比べて家賃が「2倍以上に値上がりした」と回答。中には「3倍以上に値上がりした」という人もいて、被災者からは不満や不安の声が寄せられました。, 段階的に家賃を見直すとのことだったが、2年経過していきなり2倍以上に上昇した。自治体の思惑だけで家賃が急に値上げされたことは納得しかねる。, 働けば働くほど、翌年の家賃が上がり、今後の生活が不安です。生活費の節約や病院に行くのも我慢したりしてます。, 家賃も高くなり、どこに住めというのか。被災して母子家庭で、どうしようもなくなったら死ねっていうのか、と思います。, 7割が「震災から時間がたち風化している」と感じていると回答。被災地の伝承施設などで見せている津波襲来時の映像については、7割が「津波が襲った時の様子をありのままに伝えるため配慮を最小限にとどめた映像」を見せるべきだと答えました。, 全国各地で災害が起きているので、東日本大震災の事が忘れられて行くような気がします。風化させないように後世に伝えるよう私たちも努力したいと思います。, 人は見たくないものからは目をそらし、自分の身に襲いかかるかもしれない災いは考えないようにし、経験した災害は早く忘れようとする。未来の人のために、つらい経験・貴重な体験を伝えることは、試練ではあるが、使命でもあると思う。震災経験者の『つらさからの逃避』は、未来の人の被災につながると感じる。, 震災、津波に対しての復興活動は目に見えるが、原発事故に対する復興作業、進行の実感がない、見えない。復興の停滞は風化そのものです。, 半数が、震災発生直後と比べ防災意識が「高くなった」と回答。全国で相次ぐ災害が被災者の防災意識に影響を与えていることがわかりました。, もう9年。あれから9年ではない。次の災害へのカウントダウン。常在戦場、一人一人の意識の向上が必要。, 自然の力には勝てません。これからは、いつでも災害と背中合わせの環境におかれているという事を一人一人が意識する事が大事と思います。実際、生と死は紙一重。被災者になってしまうと以前の暮らしに戻る事は不可能です。どんなに苦しくても前に進む、現実を受け入れるしかなくなる事を皆様にもわかって欲しいです。, 東日本大震災で亡くなった方々の死を無駄にしないでほしい。最悪な事態を想像して生き残るための最善の避難行動を真剣に考えて備えなければ自然災害は無慈悲に人々の人生と生命を奪っていく。, 6割が、政府が「復興五輪」と位置づける東京オリンピック・パラリンピックは被災地の復興に「役立つと思わない」と回答。被災者の多くが「復興五輪」の経済効果に否定的です。, いろいろ支援いただいた世界中の方々に感謝の気持ちを伝えたい。ここまで復興してきている状況を見て頂きたい。, ありのままの今を見てほしい。何も変わってない所を。いやそれ以上畑、田、家もなく自然に戻るありさまを、人、一人もいない現象を。, 復興五輪と言えるのか甚だ疑問である。廃炉の問題、汚染水の問題など、道筋がつかない状況での五輪。福島以外の復興五輪のように私は感じます。, アンケートを分析して、「軌道修正」が必要なことが多く出てきたと感じました。復旧・復興が順調に進んでいる項目がある一方で、家計の収入が減っている問題や地域経済の問題、災害公営住宅の家賃値上げによって生活が成り立たなくなっている問題などが浮き彫りになりました。, 阪神・淡路大震災や他の災害に比べて、被災者一人ひとりの復興のスピードも遅いと感じています。, 特に、家計や住まいをいかに安定させて生活再建に結びつけていくかが重要ですが、このままでは来年の震災10年も今回とほとんど変わらない結果になるおそれがあります。, 今回のアンケート結果をもとに、さまざまな側面で支援のあり方を考え直す必要があると思います。. æ±æ¥æ¬å¤§éç½ã®è¢«ç½è
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